こんにちはLizです!
今回はアメリカのグリーンカード (Green Card:永住権)について、そして私たちがグリーンカードを取得した流れについて詳しくご紹介します。
* こちらのブログでは法律的なアドバイスを提供するものではございません。また、記載されている内容は私たちが申請していた時点の情報です。最新かつ正確な情報については、専門家などにご確認ください。
グリーンカードとは?
このブログをご覧の方はご存じかもしれませんが、グリーンカードは正式には「永住権」と呼ばれるもので、アメリカで永住する権利を証明するものです。
正式名称は「Permanent Resident Card」ですが、そのカードの色が緑色であることから「グリーンカード」と呼ばれています(とはいえ、実物は「これぞ緑!」という感じではありません。笑)。
グリーンカードを取得すると、アメリカ国内で自由に就労したり、教育を受けることができ、多くの面で市民とほぼ同じ権利が与えられます。
ただし、投票権や裁判の陪審員としての義務といった一部の権利は含まれていません。
また永住権を維持するためにはアメリカを長期間離れないこと(長期間離れる際は事前の承認が必要)や、一定期間ごとにカードを更新する必要があります。
通常、グリーンカードは10年ごとに更新が必要ですが、条件付き永住権の場合は2年ごとに手続きが必要です。
グリーンカードとビザの違い
Fビザ(学生ビザ)、Jビザ(交換留学ビザ)、Hビザ(就労ビザ)などの非移民ビザとグリーンカードには大きな違いがあります。
これらのビザは通常、アメリカでの一時的な滞在を前提として発行され、特定の目的(例:学業、研究プログラム、雇用契約)に従事する期間に限定されます。
また、ビザの種類によっては以下のような制限があります。
- 滞在期間に制限があります
- 活動内容や場所が制限されます(雇用主を変える場合に再申請が必要等)
一方、グリーンカードを取得すると以下のような利点があります。
- 滞在期間の制限がないため、アメリカで長期的に生活することが可能です。
- 職種や雇用主を自由に選択できます。例えば、Hビザでは特定の雇用主のもとでしか働けませんが、グリーンカードがあればその制限がなくなります。
- 学業終了後やビザの期限切れに伴う出国やビザ変更の心配がなくなります。例えば、Fビザでは学業を終えるとアメリカを出国するか、他のビザに切り替える必要がありますが、グリーンカードを取得すればそうした心配がありません。
これにより、グリーンカード取得者は非移民ビザ保持者よりも安定した生活基盤を得ることができます。
申請カテゴリー決め
私たちはともにH1ビザでアメリカに滞在していましたが、長期的な滞在と安定を考えてグリーンカードを取得することに決めました。
Lizは研究者としてPhD(博士号)を取得しているため、LizをPrincipal Applicant(主申請者)、KennyをDerivative Beneficiary(付随申請者)として手続きを進めました。
弁護士事務所に相談したところ、EB-2 NIW(National Interest Waiver) のカテゴリーで申請するのが最適だと言われたため、このカテゴリーを選択しました。
I-140とI-485の申請
グリーンカード申請は大きく分けて2つの主要なステップがあります。
なお、I-485 はアメリカに住んでいる場合の手続きです。
I-140(Immigrant Petition for Alien Worker)
- Principal Applicant (主申請者)のみが提出する書類で、申請者の経歴や研究業績がアメリカの国益に貢献することを証明するものです。
- 通常は雇用主(企業や大学等)がスポンサーになりますが、EB-2 NIWでは自己申請(self-petition)が可能です。
- I-140が承認されると、永住権の申請(I-485)へ進むことができます。
I-485(Application to Register Permanent Residence or Adjust Status)
- アメリカ国内でのステータス調整(Adjustment of Status, AOS) を申請するための手続きです。
- 主申請者に加え、配偶者や子供などの家族(Derivative Beneficiary:付随申請者)も申請可能です。
- 指紋採取(Biometrics Appointment)や健康診断(Medical Examination)を含み、審査の過程で面接(Interview)が行われることもあります。
- 承認されると、グリーンカード(永住権)が発行されます。
取得の流れ
2022年5月 | 弁護士事務所に相談し、グリーンカード申請の準備を開始 |
2022年7月 | ニューヨークで婚姻手続きを完了 |
弁護士事務所と retainer agreementを締結し、retainer fee を支払う | |
2022年8月 | 婚姻に伴い、パスポートの記載事項変更を申請 |
2022年10月 | Lizの研究内容のサマリーを弁護士事務所に提出 |
推薦人(4人)の選定、弁護士事務所による推薦書の作成 | |
2022年12月 | 弁護士事務所を通じてI-140 を提出 |
2023年1月 | I-140 をPremium Processing(特急審査) に変更 |
2023年2月 | I-140 承認 |
2023年10月 | I-485 を提出 |
2023年11月 | 指紋採取完了 |
2023年12月 | 急遽帰国する必要があり、Emergency Advanced Parole を申請、承認 |
日本に一時帰国 | |
RFE (追加書類要求)が届き、健康診断書の提出を求められる | |
2024年1月 | 健康診断を受診し、健康診断書を提出 |
2024年5月 | インタビューのスケジュール通知を受け取る |
2024年7月 | インタビュー実施 |
インタビュー翌日に I-485 承認 | |
承認から約1週間後にグリーンカードが郵送で届く |
以上のことから、準備からグリーンカードを取得するまで、約2年かかったことになります。
おわりに
今回は、グリーンカードについての概要と、私たちがグリーンカードを取得したタイムラインについてご紹介しました。
次回は、実際にI-140やI-485の申請で提出した書類について詳しくご紹介する予定です。
これからグリーンカード申請を検討している方や、進めている方にとってためになる情報を提供できればと思いますので、ぜひお楽しみに!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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